SPECIAL ambassador COLUMN VOL.56
睡眠の質を上げたい時は何色が効く?
暮らしに役立つ「色彩心理」3選
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「色」にはさまざまな心理効果があり、その活用分野は多岐にわたります。例えば色は私たちの心を落ち着かせたり興奮させたりするだけでなく、睡眠の質を高めたり自信を持たせてくれたりする効果も期待できるのです。

そこで今回は、暮らしに役立つ色彩心理を3つ紹介します。いずれも身近なテーマですので、暮らしに悩みがある人は参考にしてみてください。

色彩心理学とは? 「色」がもたらす、驚きの心理効果

色彩心理学とは、その名の通り『色』と『心』の関連性を研究する学問のこと。

近年では心理ケアやスポーツ、ファッション、マーケティングなど、さまざまな分野で活用されています。

例えば冬には赤やオレンジといった暖色系の商品が目に留まりやすい一方で、夏には青や水色といった寒色系の商品が目に留まりやすいですよね。

これは、私たちが色に温かさや冷たさを感じるためです。

実際のところ『暖色系の色を多く使った部屋』と『寒色系の色を多く使った部屋』では体感温度が2度~3度ほど変わる、という実験結果も出ています。

また同じ商品でも色によってイメージが変わったり、重さや大きさが違うように感じたりすることは珍しくありません。

これも、色による心理効果です。

例えば、引っ越し業者の使う段ボールには『白』が多く使われていますよね。

これは、白が『軽く感じる色』だからです(荷物を軽く感じることで、スタッフの疲労感が軽くなったり作業効率がアップしたりする)。

一方、金庫類には『黒』がよく使われます。

これは、黒が『重く見える色』だからです(盗みを考える人に「重たくて簡単には運び出せなさそう」と思わせる効果がある)。

このように、私たちは無意識のうちにさまざまな色の影響を受けています。

では、どのようにすればこれらの心理効果を有効に活用できるでしょうか?

ここからは、暮らしに役立つ色彩心理を紹介します。

その1.睡眠の質を改善したいなら…寝室には「青」がオススメ

言わずもがな、良い睡眠には良い環境が欠かせません。

そこでオススメなのが、寝室に『リラックスできる色』を取り入れる方法です。

例えば、以下の色はリラックス効果を期待できます。

・青、水色、ネイビーなどの「青系」
・ローズやコーラルピンクなどの「淡い赤系」
・緑、グレーグリーン、青緑などの「緑系」

特に『青』は鎮静効果が高い色で、専門家によると血圧や心拍数を下げたり不眠を改善したりする効果も期待できるのだとか(※1)。

反対に、オススメできないのは『紫』『茶色』『グレー』の3色です。

これらの色は睡眠を妨げるため、寝室に取り入れると睡眠時間が短くなってしまうと言われています(※2)。

睡眠にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

その2.元気になりたい時は「ビタミンカラー」ストレス発散にも◎

次に紹介するのは、気分の落ち込みに役立つ色彩心理です。

「特に何かがあったわけではないけど、何となく気分が沈みがち…」

そんな時は、ぜひ『オレンジ色』『黄色』を取り入れてみてください。

『ビタミンカラー』とも呼ばれるこれらの色は、目に入るだけで気分をパッと明るくしてくれます。

一方、不安感が強い時にオススメなのは『緑』です。

緑には、心を落ち着かせたり不安感を取り除いてくれたりする効果があります。

いずれの色も、取り入れるなら“よく目にする場所”がオススメです。

例えばスマホやパソコンなどのホーム画面、ルームウエア、カーテン、クッションカバーなどに取り入れると、1日に何度も目に入ります。

その他には観葉植物を置いたり、スマホカバーネイルカラーに取り入れたりするのもよいですね。

季節の変わり目などに気分が沈みがちな人は、ぜひ試してみてください。

その3.夢を叶えたいなら…「赤」や「黄色」で一歩を踏み出そう!

最後は、夢の実現に役立つ色彩心理を紹介します。

勇気や自信が出なくて「最初の一歩がなかなか踏み出せない」という時は、以下の3色を積極的に取り入れてみてください。

・赤
・オレンジ
・黄色

これらは私たちの心身を元気にし、やる気を出させてくれる色です。

また『黄色』は不安を和らげ、自分に自信を持たせてくれる色でもあります。

一方、集中力を高めたい時にオススメなのは『青』です。

青は心を落ち着かせるだけでなく、集中力を高めてくれる効果も期待できます。そのため仕事や勉強などで集中力を持続させたい時には、青を取り入れるのがオススメです。

加えて青はクリエイティブになれる色でもありますので、新しいアイデアが必要な時は青を増やすとよいでしょう。

実現したい夢や目標がある人は、これらの色彩心理をぜひ活用してみてください。

ポイントは「1日に何度も見る」こと! 今日から試してみよう

先ほどもお伝えしたように、色の心理効果を高めたい時は“よく目につく場所”に取り入れるのがポイントです。

また、色を取り入れる際は『無地』でなくても構いません。例えば『模様』や『写真』などに含まれる色であっても、その印象が強ければ十分に心理効果を見込めます。

そのためインテリアやファッションの一部として取り入れるのはもちろんのこと、以前に紹介した『インテリア・アート』を使うのもオススメです。

色の取り入れ方に決まりはありませんので、ぜひ取り入れやすい方法を探してみてくださいね。

【参考元】

(※1)実は不眠改善に役立つ? 色彩のプロに聞いた「青色」の“効果”|オトナンサー
(※2)あなたvs不眠「大規模研究で判明した"よく眠れる色"」|PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
・色彩心理の専門家が明かす、寝室に取り入れたい5つの色とその効果|Business Insider Japan
・【色彩心理学】色のパワーを取り入れて!元気を出せるカラー|CanCam.jp
・『色彩心理のすべてがわかる本』山脇 恵子 著(ナツメ社)
・『マンガでわかる色のおもしろ心理学』ポーポー・ポロダクション(SBクリエイティブ)

writing by
SPECIAL ambassador
永瀬 なみ
永瀬 なみ
幸せコラムニスト・カウンセラー
「幸せは自分の心が決める」をモットーに、人生そのものや暮らし全般、キャリア、人間関係、恋愛などのコラム(エッセイ)を執筆中。カウンセラーの資格を保有し心理学に詳しいことから、専門家としてテレビの取材協力やWeb記事の監修を任されることも。シングルマザー歴20年弱。夢は著書を持つこと、犬&イルカと暮らすこと。
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永瀬なみ公式ブログ『natural(ナチュラル)』